約 1,385,803 件
https://w.atwiki.jp/hanrei/pages/178.html
建築請負契約の締結に際し仲裁契約がなされた事案において,建設工事紛争審査会による仲裁が訴訟に比較して消費者保護に欠けることはない等として,不法行為又は請負人の瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求の訴えを却下した事案 主 文 1 本件訴えを却下する。 2 訴訟費用は,原告の負担とする。 事 実 第1 当事者の求めた裁判 1 請求の趣旨 (1) 被告は,原告に対し,5238万5185円及びこれに対する平成14年2月2日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (2) 訴訟費用は,被告の負担とする。 2 請求の趣旨に対する答弁(本案前の答弁) 主文同旨。 第2 当事者の主張 1 本案前の主張 (1) 被告の主張 ア 仲裁合意(妨訴抗弁) 原告と被告は,後記2「本案についての主張」(1)ア(ア)の請負契約(以下「本件請負契約」という。)の締結に際し,同請負契約に関して紛争が生じた場合には,民間(旧四会)連合協定工事請負契約約款第34条(2)の規定に基づき,B建設工事紛争審査会の仲裁に付し,その仲裁判断に服することを合意した(以下「本件仲裁合意」という。)。よって,本件訴えは訴訟要件を欠き,不適法である。 イ 錯誤無効関係 (ア) 錯誤無効に対して(否認) 被告の担当者Aは,原告に対し,仲裁合意の説明をしている。 また,本件仲裁合意書の裏面には,仲裁合意の説明が記載されているところ,原告は,仲裁合意書の綴じられた請負契約書を預かって検討していたものである。 したがって,原告は仲裁合意について理解していた。 (イ) 原告の重過失(再々抗弁) 仮に,原告が,本件仲裁合意書に署名する際に,裏面の説明を全く読んでいなかったというのであれば,原告には重過失があるというべきであり,原告は仲裁合意の錯誤無効を主張できない。 (ウ) 追認(再々抗弁) 被告は,平成14年8月6日,B建設工事紛争審査会に対し,請負代金の支払いを求める仲裁申請を行い,平成14年10月23日,第1回仲裁期日が開かれているところ,その際,原告は,仲裁委員から仲裁制度の説明を受けている。その後,原告は,同審査会に対し,建物の取り壊し,請負代金の返還等を求める仲裁の申請をしている。 遅くとも原告の上記申請の段階では,原告は仲裁の意味・効力を理解していた筈であるから,この段階で仲裁合意について原告の追認があったというべきである。 (エ) 信義則違反(再々抗弁) 上記(ウ)のとおり,原告は,被告の仲裁申請に対し,却下を求めるどころか,仲裁合意の成立を前提に,建物の取り壊し,請負代金の返還等を求める仲裁の申請をしている。また,被告が仲裁を申し立てた平成14年8月6日以降,平成16年8月26日までの間に,計7回の仲裁期日が開かれているところ,原告から仲裁合意が無効であるという異議は一切出されなかった。 したがって,本件仲裁合意が無効であるという原告の主張は,原告の従前の行動と矛盾するものであり,信義則に反する。 (2) 原告の主張 ア 仲裁合意に対して(否認) 原告は,本件請負契約締結の際,契約書に2か所の署名・押印を求められ,言われるままに署名・押印したに過ぎず,被告から仲裁合意についての説明などを受けておらず,仲裁合意書の存在すら意識していなかった。 原告が仲裁の意義及び仲裁合意の法的効果を認識しないで,仲裁合意書に署名した以上,仲裁合意は成立していない。 イ 錯誤無効関係 (ア) 錯誤無効(妨訴抗弁に対する再抗弁) 一般に,消費者は建築業者が契約書どおりの瑕疵のない建物を建てる良質な業者であろうとの期待のもとに建築請負契約を締結するのであり,消費者である原告が,建築業者との紛争を予期した上で,仲裁の意義,法的効果を正確に理解し,仲裁を紛争処理手段として選択する意思の下,仲裁合意書に署名押印することなどあり得ない。 通常取引における一般消費者が「仲裁合意の成立によって裁判所への訴訟提起ができなくなる」という法的効果を正確に知っていたのであれば,かかる仲裁合意書に署名することはあり得ないから,原告の意思表示は「要素の錯誤」に該当する。 (イ) 重過失に対して(否認) 原告は本件仲裁合意書の裏面を読んでいないが,社会通念上,消費者としての注意義務を尽くしていたものであり,仲裁合意書に署名・押印するに際して,重過失はない。 (ウ) 信義則違反に対して(再々々抗弁) 以下の諸事情に照らすと,原告が本件仲裁合意が無効である旨主張することは,信義則に反しない。 a 平成16年3月1日に施行された仲裁法が,その附則により,仲裁合意をした消費者に,同合意の無理由解除権を与えた趣旨(附則3条2項)は,訴訟による解決が出来なくなるという仲裁の意義を理解している消費者が少ないことなどに照らし,将来生じる紛争を対象とする仲裁合意をした場合でも,現実に紛争が発生した時点で,紛争解決手段として仲裁又は訴訟その他の手段のいずれによるかを選択する権限と機会を認めようとしたことにある。 本件仲裁合意は,仲裁法の施行前になされたものであるが,消費者が仲裁の意義を理解していない点は,本件の原告にもそのまま当てはまるものであり,仲裁法附則3条2項の趣旨に照らして,仲裁合意の効果を排除すべきである。 b 本件請負契約により建築された建物(以下「本件建物」という。)に関する瑕疵は,仲裁委員も訴訟で解決することを提案した経緯さえある程の重大な紛争であるところ,原告はこのような事態が生ずるとは予想すらしなかった。 このような場合に,訴訟による解決が図れなくなることは極めて理不尽である。 c 原告は,被告から仲裁申請をされたから,同じ手続での対抗手段として仲裁申請をしたのであり,仲裁合意書にしたがって申請をしたものではない。原告は,仲裁申請以外に訴訟提起もできると考えていた。 2 本案についての主張 (1) 請求原因 ア 請負契約の成立と被告の設計及び施工 (ア) 原告は,被告との間で,平成13年9月20日,原告を施主,被告を請負人として,以下のとおり,原告宅新築工事建築の請負契約を締結した。 工事場所 名古屋市a区b町c-d 請負代金 4420万円(うち消費税210万4761円) (イ) 被告が本件建物の建築施工をし,被告代表者のCが本件建物の設計及び監理並びに建築確認申請の代理を行った。 イ 建築確認の虚偽申請 本件建物の軒高実測は9.5メートルであり,D建設一級建築士事務所作成の鉄骨詳細図にも軒高9.5メートルとされているところ,Cは,関連法令上,軒高が9メートルを超えない建物につき,構造計算書等の添付及び鉄骨製作に関する受入れ検査等が免除されることを逆手に取り,建築確認申請書に軒高9メートルと虚偽の申請をした。 ウ 本件建物の瑕疵 本件建物には,以下の(ア)ないし(エ)をはじめとして,それ以外にも建築基準法及び同法施行令に違反する瑕疵が多々ある。 (ア) 柱耐力が梁耐力の1.5倍以上を満足しないこと (イ) 1階鉄骨柱脚につき,アンカーボルト下端のかぶり厚さが全く確保されていないなどの欠陥があること (ウ) 柱梁接合につき,内蔵ダイヤフラムが入れられていないなどの欠陥があること (エ) マット基礎につき,コンクリート強度が不足しているなどの欠陥があること エ 原告の損害 (ア) 取り壊し・建て替え費用 本件建物を法令に適合するように修補するためには,本件建物を一旦取り壊して,建物を建て替えるほかないところ,建物取り壊し,再築に要する費用は以下のとおりである。 ① 本件建物の取り壊し費用 729万8340円 ② 本件建物新築費用 4420万円 (イ) 仮住まい費用 本件建物の取り壊し・建て替えに要する工事期間は,約8か月間であるところ,本件建物相当の床面積を持つ賃貸住宅を借りる必要がある。 同期間の賃料相当損害金の合計は,158万円である。 (ウ) 犬の保管費用 原告は,グレートデン(犬)を飼っているところ,同犬を飼うことができる賃貸住宅はないので,専門の施設に管理を委ねる必要がある。 8か月間の管理費用として,少なくとも90万円を要する。 (エ) 引越費用等相当損害金 上記(イ)の仮住まいのため,家財道具の移転等,引越をしなければならないところ,これに要する費用は以下のとおりである。 ① 搬出費用 397万2150円 ② 搬入費用 99万4000円 (オ) 登記費用 16万3927円 (カ) 不動産取得税 81万5100円 (キ) 照明器具・換気扇 本件建物の建て替えにより,本件建物用に購入して据え付けた器具等が使用不可能となるところ,これらの時価相当額は以下のとおりである。 ① 照明器具・換気扇 130万3008円 ② ロールスクリーン 1万4000円 (ク) 一級建築士へ依頼した調査費用 本件建物の瑕疵については,通常人が容易に認識しうるものではなく,専門家の調査によらなければ,その有無・程度を知ることができないところ,同調査費用として,既に87万8760円を支出している。 (ケ) 慰謝料 原告は,妻,子供6人とともに本件建物に住んでいるが,建物基礎や建物構造上の欠陥の判明によって,建物の安全性に不安を抱き,常に建物崩壊のおそれと背中合わせに日々の暮らしを送らなければならず,現に,原告ら家族は,本件が解決するまでの間,別に住居を借りて仮住まいをするか否か検討しているほどである。 欠陥住宅被害は,財産的損害であることは勿論のこととして,本来心安らげて落ち着けるはずの場所である生活の本拠に,建物倒壊等による自らの生命,身体の安全に対する懸念を持ち込んでいるという点で,居住者の精神的損害は相当なものがある。 本件においても,原告の被った損害は,財産的側面にとどまらず,精神的損害にも及んでおり,これに対する慰謝料は,少なくても500万円を下らない。 (コ) 弁護士費用 本件訴訟が,高度に技術的・専門的訴訟追行能力を要することはいうまでもなく,本件訴訟提起及びその追行のためには弁護士への委任が必要不可欠であった。 そのための費用として,被告が負担すべきは600万円である。 オ 被告の責任原因 (ア) 建設業法25条の25第1項は,建設業者は,施工技術の確保に努めなければならない旨定めるところ,建築基準法に定める基準は,建築物の敷地,構造及び建築設備に関する「最低の基準」であって,同法に定める基準は,建築業者たるものが守らなければならない最低限度のものである。したがって,建築基準法令に違反した建物を建築した場合には,私法上も不法行為を構成する。 特に本件建物の建築に当たっては,上記イのとおり,Cが虚偽申請をしており,意図的かつ悪質な手抜きであり,故意による不法行為である。 (イ) 被告は,本件建物の請負人として,民法634条2項所定の瑕疵修補に代わる損害賠償責任を負う。 カ よって,原告は,被告に対し,不法行為又は請負人の瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求権7311万9285円から未払請負金2073万4100円を控除した5238万5185円及びこれに対する本件建物の引渡が終わったことが明らかな平成14年2月2日から前記損害賠償金の支払済みまで,民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払いを求める。 (2) 請求原因に対する認否 なし 理 由 1 被告は,本案前の抗弁として,本件請負契約においては原告と被告との間に本件仲裁合意が存在するから,本件訴えは訴訟要件を欠く不適法なものであると主張する。以下,本案前の抗弁について判断する。 2 前提事実 証拠(甲2,5の1,2,乙1,2,3,4,5,6,証人A,原告本人及び被告代表者本人)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 (1) 被告担当者Aは,平成13年2月ころから,実家建物を二世帯住宅に建て替えることを検討していた原告に対し,建物新築工事の営業活動を行い,平成13年9月20日乃至10月ころ,原告と被告との間で,代金額4420万円(消費税込み)の請負契約(以下「本件請負契約」という。)が成立した。すなわち,上記契約は,工事請負契約書,仲裁合意書,民間(旧四会)連合協定工事請負契約約款,見積書,図面類が一体として綴じられた書類を2部作成し(甲5の1,2,乙6),原告と被告が各1部を保有する方式でなされているところ(争いがない),工事請負契約書に記入されている日付けは平成13年9月20日であり,Aも同日に原告と被告代表者の署名がなされた旨証言するものの,見積書の日付は同年10月23日であり,原告が「実際に署名したのは10月に入ってからだと思う」旨供述していること,この点に関するAの記憶は明確でなく,ワープロミスを可能性として挙げるに止まるから,契約書の作成日,すなわち契約の成立日は判然としない。 (2) 仲裁合意書(以下「本件仲裁合意書」という。)の表面には,「裏面参照のうえ建設工事紛争審査会の仲裁に付することに合意する場合に使用する。」との説明書に続き,「仲裁合意書」という表題,「工事名 E邸新築工事」,「工事場所 名古屋市a区b町c-d」との記載があり,本文として「平成13年9月20日締結した上記建設工事の請負契約に関し紛争が生じた場合は,民間(旧四会)連合協定工事請負契約約款第34条(2)の規定にもとづき,建設業法により定められた下記の建設工事紛争審査会の仲裁に付し,その仲裁判断に服する。」と,さらに管轄審査会名として「B建設工事紛争審査会」と明記されている。裏面には,「仲裁合意書について」との表題のもと,大要,(1)建設工事紛争審査会は,建設業法にもとづき設置され,建設工事の請負契約に関する紛争の解決を図るため,斡旋・調停及び仲裁を行っていること。裁判所の訴訟に代えて審査会の仲裁に付するためには,当事者の合意が必要であるので,仲裁合意書が添付されたものであること。(2)適法になされた審査会の仲裁判断は,裁判所の確定判決と同一の効力を有し,たとえその仲裁判断の内容に不服があっても裁判所で争うことができなくなること。建設工事紛争審査会の仲裁制度はいわゆる一審制であることなど,仲裁制度に関する説明が14行の文章でなされている(乙1)。 (3) 被告は,平成14年2月1日,本件建物を原告に引き渡したが,原告が建物の瑕疵を理由に既払い額2346万5900円の残額2073万4100円の支払いを留保していることから,同年8月6日,本件仲裁合意書の規定に基づき,B建設工事紛争審査会(以下「本件審査会」という。)に対し,仲裁の申請をした(乙4参照)。 同年10月23日,第1回仲裁期日が開かれたところ(争いがない),第1回仲裁調書には,「審査会が,申請人(被告)・被申請人(原告)双方に仲裁について説明した」旨の記載がある(乙5)。 原告は,同年11月27日,被告を被申請人として,本件審査会に対し,本件建物の取り壊し,請負代金の返還等を求める仲裁の申請をした(争いがない,乙4)。 仲裁廷は,その後の仲裁期日において,当事者双方に対し,仲裁は施工ミスが中心で,設計ミスの審理に適さないから,裁判でやったらどうかというアドバイスを行っているところ,被告は即座に異議を述べたのに対し,原告は同アドバイスに従い,平成16年7月16日,本件訴えを提起した。 本件仲裁手続は,同年8月26日,第7回の仲裁期日が開かれて以来,事実上中断している。 3 仲裁合意の成立について (1) 本件仲裁合意書には,原告及び被告代表者の署名押印があり(甲2,乙1,2,3,証人A,原告本人及び被告代表者本人),真正に成立したものと推定される。 また,証拠(乙1,2,3,5,証人A及び被告代表者本人)によれば,本件請負契約を締結する際,Aが原告に本件仲裁合意書の表面を示して,その本文を読み上げたか,少なくとも「紛争が発生した場合,裁判ではなく仲裁という規定があるので,こちらの方で解決させてもらっています」という程度の説明をしたこと,その後,紛争が発生し,被告の申請により第1回仲裁期日が開かれた際,仲裁委員から仲裁制度につき「一審制で仲裁の判断は最高裁判所の判決と同一の効力がある。仲裁の効力を他で争うことができない」旨の説明があり,これに対し,原告は何らの異議を唱えなかったことが認められる。 (2) これに対し,原告は,本件仲裁合意書について,A又はCから,何らの説明を受けておらず,同文書の存在すら意識せずに署名捺印したものであるから,本件仲裁合意は不成立である旨主張し,その主張に沿う供述をする(甲1,原告本人)。 しかしながら,本件仲裁合意書はその表面を一読すれば,原告と被告間の本件請負契約に関して紛争が生じた場合,仲裁に付し,その判断に従うことを合意する文書であることは容易に知ることができるものであって,被告において,原告に同文書の存在を意識させることなく,原告の署名捺印をさせることはそもそも困難である。また,原告は,第1回仲裁期日の仲裁委員からの説明すら「仲裁制度について説明はあったと思うが,内容は全く覚えていない」と著しく曖昧かつ乙5の記載にも反する不自然な供述をしており,かかる供述態度に照らすと,本件仲裁合意に関する原告の供述も採用することができない。 4 錯誤無効関係 前提事実(2)及び前記3(1)で認定したAの説明内容に照らせば,原告の本件仲裁合意書による意思表示が,錯誤によりなされたものと認めることはできない。 5 信義則違反関係 被告は第2「当事者の主張」1(1)イ(エ)のとおり,原告の錯誤無効の主張に対し信義則違反の主張をし,原告は同主張に対し信義則違反の評価障害事由の主張をするところ,原告の主張の内容は被告の本案前の抗弁に対する予備的な再抗弁とも位置づけることができるので,念のため,この点について判断する。 (1)ア まず,仲裁法附則3条2項の趣旨についてみるに,原告が主張するとおり,仲裁合意により,その対象となる紛争につき訴訟による解決が出来なくなるという重大な効果が生ずるが,消費者が紛争の発生前に,仲裁の意義を十分に理解した上で仲裁を解決手段として選択するケースが稀であること,仮に消費者が仲裁の意義を理解したとしても,事業者との交渉力の格差から,仲裁合意の内容の変更のための交渉をしたり,契約の締結を断念したりすることは期待できないことなどの事情から,消費者が事業者との間で将来生じる紛争を対象として行う仲裁合意(以下「消費者仲裁合意」という。附則3条1項参照)について,消費者に無理由解除権を与え,もって,消費者が,紛争発生後において,紛争解決手段として仲裁又は訴訟その他の手段のいずれによるかを選択する権限と機会を付与したものと解される。 ところで,仲裁法附則3条が予定する消費者及び事業者の種類は様々であるところ,仲裁法が,仲裁人の数(同法16条1項),仲裁人の選任手続(同法17条1項),仲裁廷が従うべき仲裁手続の準則(同法26条1項)などについて当事者の合意により定めると規定していることもあって,消費者仲裁合意の内容はなおのこと様々であり,上記附則3条2項等の規定により消費者を保護すべき必要性が高い。これに対し,建設工事紛争審査会が行う仲裁は,仲裁法(仲裁法施行以前は,公示催告手続及ビ仲裁手続ニ関スル法律)を一般規定としつつも,建設工事紛争の特殊性に配慮し建設業法に特別規定がおかれている結果,その他の消費者仲裁合意と比較すれば,事業者と消費者の力関係等が反映されにくい,換言すれば,適正かつ公平な制度が保障されている。すなわち,建設工事紛争審査会は,国土交通省及び各都道府県に設置されていること(建設業法25条3項),仲裁委員の選定母体となる委員及び特別委員は,国土交通大臣又は都道府県知事が,人格が高潔で識見の高い者のうちから任命するものとされていること(同法25条の2第2項,25条の7第1項,第3項,25条の16第2項),仲裁委員は3人とされ,うち少なくとも1名は弁護士となる資格を有する者でなければならないこと(同法25条の16第1項,3項)などの規定が置かれている。 そもそも,建設工事紛争審査会は,①建設工事をめぐる紛争が,技術的な専門性をもつ分野であり,紛争を解決する側にもそれに関する専門的知識が必要なこと,②請負契約には特別な慣行が伴う場合があり,その知識も要求されること,③瑕疵の主張は一般に多岐にわたりがちであり,また,追加変更合意の有無を巡る争いも頻発しがちであるところ,これを厳格・慎重な手続である訴訟で解決するとなると,裁判官は建築の専門家ではないこともあり,解決に時間を要することなどの実態を踏まえ,建築に関する知識と経験のある専門家が関与する準司法機関として昭和31年に創設されたものである。この点,原告の引用する文献「建築請負・建築瑕疵の法律実務<建築紛争解決の手引>横浜弁護士会編」(甲1)にも,原告の引用部分(第2「当事者の主張」1(2)イ(ウ)a参照)に続いて,「この点,法案の審議過程においては消費者仲裁合意を一律に無効とするとの意見もあったが,建設工事紛争審査会など特定の紛争分野では,仲裁合意に基づいて消費者と事業者間の仲裁も現に相当数行われており,消費者が仲裁を申し立てる例も少なくない。したがって,将来の消費者仲裁合意を一律無効とすることは,これまで消費者が利用できた仲裁を制限することになり,かえって,消費者の利益にならない場合があると考えられるため,利用するか否かの選択権を消費者に与えたものである」旨記載され,その有用性が評価されているところであり,適正,公平かつ迅速な紛争処理を期待したいわゆるADRの代表格である建設工事紛争審査会による仲裁が,訴訟に比較し,消費者保護に欠けるということにはならない。 イ 次に,附則3条の趣旨を,仲裁合意の方式の点から考察するに,仲裁法13条3項に「書面によってされた契約において,仲裁合意を内容とする条項が記載された文書が当該契約の一部を構成するものとして引用されているときは,その仲裁合意は,書面によってされたものとする」と規定されているところ,仲裁法施行以前は,消費者が約款等の仲裁条項の存在を意識していなかったとの理由により,約款等を引用する方式での仲裁合意の成立を否定し,消費者保護を図ることができたのに対し,仲裁法施行により,かかる救済がなし得なくなり,かえって,消費者保護に欠ける事態が生じうることに配慮して,附則3条2項の無理由解除権を始めとする消費者保護規定を置いたものと解される。 本件仲裁合意は,単に約款中の仲裁条項を引用して合意されたものではなく,前記認定のとおり,仲裁合意書という独立した文書によって合意されたものであるから,この点でも附則3条の趣旨を及ぼす実益に乏しい。 (2) 原告は,仲裁委員が,原告・被告双方に対し,訴訟による解決を勧めたのであるから,訴訟への途を閉ざすことは極めて理不尽である旨主張する。 そこで検討するに,「仲裁廷は,仲裁手続を続行する必要がなく,又は仲裁手続を続行することが不可能であると認めたときは,仲裁手続の終了決定をしなければならない」旨規定されているところ(仲裁法40条2項4号),本件紛争を担当する仲裁廷が同決定をしていない以上,原告の主張する事由のみでは仲裁法14条1項2号の「仲裁合意に基づく仲裁手続を行うことができないとき」に当たるということができず,原告の主張は採用できない。 6 以上の次第で,被告の本案前の抗弁は理由がある。 7 よって,原告の訴えは訴訟要件を欠くことになるから,本件訴えを却下することとし,主文のとおり判決する。 名古屋地方裁判所民事第6部 裁 判 官 安 田 大 二 郎
https://w.atwiki.jp/mdq-shinkai/pages/14.html
敵キャラ アースイーター アースセンチピード アースワーム アーデンスポール アーヘンエイプ アーマービートル アールスクォーレル アイアンアント アイスクラウン アイレススパイダー アイレスセンチピード アイレスローチ アクィロファルコン アクババ アスパーフルメン アソーンベア アナナススパイダー アナナスラット アノールタイガー アノールハンサー アノールフィッシュ アノールワーム 暴れセタセタ アリガススネイル アリゲイター(ラン島) アリゲーター(コル島) アルセマスウィザード アルセマスゴスペラー アルセマスサーティンス アルセマスシーカー アルセマストラッパー アルセマスリーダー アルセマスリーナイツ アルビノペンギン アンシーンゥライザー アンスーズタイガー アントライオン アンバープリン アンレヴピクシィ イアリィシング(大祠塔) イーヴルアーマー イーヴルソード イーガーミスルト イーサドレッグ イーサリフレクター イートクロウラー イヴィルボーン イグニスファトゥース ヴァイオレットアーマー ヴァイオレットツリー ヴァイオレットトゥース ヴァルチャー ヴァンパイアシェル ウェイズドッグ ウォークシェイル ウォーターシェリー ウォーム 歌うピステルニーナ エヴァーグリーン エールーカ エクソダス エニグマ エニグムズウィード エルスドハンサー オウガチャージャー オーク オールドウィロウ オクトパスウィニア 踊るポウエンタータ ガーゴイル カートサイクス カーニヴァラスウォール ガスクラウド カラーフロムビヨンド カルコスアント カルコスロブスター ガレータイガー ギーガーモス ギードベア キヴェントカースメーカ キヴェントソルジャー ギビィルローチ キャプテン・コナー キュクロプス キラーキャット キラーパンプキン キルマウス 金翼鳥アリカント クィージロブスター クラッグビースト グリーンスライム グリフォン(コル島) グリフォン(ラン島) グリフプルワーム クリムゾンニードル クリムゾンリーチ グリムリーパー クリュスタルス クリルクラーマシェリ グレイウルフ(街道) グレイウルフ(玉寝洞など) グレイキャッツ ク・ロウゼ・オウク クローン クロテアクラブ ケイブスコルピオ ケルピー ゴースト ゴートコーン コカトリス ゴブリン(コル島) ゴブリン(ラン島) ゴブリンクレリック ゴブリンメイジ コボルド ザインギィーデ サヴァーンベア 咲かない死花 サバンナライオン 山賊 山賊頭 サンダークラウン サンドフライ シースプライト シービショップ シーフキャット シェルミート ジャイアントアント ジャイアントスラッグ(アノ島) ジャイアントスラッグ(ラン島) シャターバグ 樹霊クルチェ 樹霊リリフィ ショールペンギン シンキングツリー シングルホーン スカルレイブン スケルトン スティンワスプ ストーキングベア ストームボア ストライクドッグ ストレイシープ ストレイプポル スラップペンギン スリープヴァイン セイラーゴースト セヴンアイズ セントエルモスファイア 草霊ニーシリー(敵キャラ) ソードフィッシュ ソルジャースケルトン ソルジャーアント ダートウォルフ タイガーシャーク タイニィサーペント ダブルブレイド ディアードショゴス ディープワン ディガスト ディサーペント ディジーズラット デイライトバット ディリザードスレイ デインズコング ティンダロスハウンド デコイキャット デスプラント デスモスチルス デファーバット デファーランプレイ デファーリーチ テュポーン テンレッグスパイダー トゥームプラウラ トーヴァレイヴン ドールマスター(敵キャラ) トラップウィード トリガーヴァイン トリックモンキー♂ トリックモンキー♀ トログロダイト 泥棒 ナイトレイダー ノクス・ニクス パーシャルスネイル ハードビット ハーピィ ハイドウォルフ ハイドゴブリン バイドバード バィル・ロックアーマー ハイロゥバー ハウリングシェイド ハウンドドッグ ハリバリィドッグ パルナモスキート♂ パルナモスキート♀ バロウワイト ハンターマンティス バンディッツ(マルダ) バンディッツ(山中公路) ビーチスレイター ビグルビートル ピスキー ピストリークス ビッグマウス ビッグローチ ビッグワーム ヒドゥン ビヤーキー(敵キャラ) ビューティーブルー ピュディケイド ファイアクラウン フィアプチプリン フィルシィーレイヴン フゥ・フォーレ フェイゾンファイター フェニックス(敵キャラ) フォーチュンキューブ フォルスバイブル フォレストボア ブッシュバイパー プポウィザーズ プポヴェノム プポポル プポル フューリアオクトパス ブラッドサッカー ブラッドブラック フラップシザース プランスコルピオ プランラビット ブリッドラット フリンモン ブルーフィッシュ ブルーベイオネット ブルーマッシュルーム(敵キャラ) ブレイドゴブリン ブレインデッド フロウモンキー フロートガンナー ブロブ フロンホロン ベイサーペント ベイスンボア ペグ・ア・ランタン ベリズフラップル ボアコンストリクター ポイズンウィス ポイズンフラワー ポイズンスポア ホールドラット ホーンビートル ホーンラビット(ラン島) ホーンラビット(コル島) ホッピングスポア ホブゴブリン(コル島) ホブゴブリン(ラン島) ホワイトマッシュルーム マー・シェニー マーテンペンギン マーテンマウス マーブルスタチュー マウスドッグ マウンテンクラブ マジェストビースト マリシャスシンガー マンイーター ミスティ・ギャンブラ ミスティ・クルーピア ミスティ・コレクタ ミニオンオブカラカル ミミックチェスト ミューゼルクラブ 妄念 モスキートスウォーム モルド ラージクラブ ライドファルコン ライノフクロス ライフスティーラ ラズィアプチプリン ラトゥングリース ランデススパイダー ランデスマウス ランドクラブ ランドペンギン ランドリートフィッシュ ランプリングスポア リーパーファルコン♂ リーパーファルコン♀ リカーラビット リフレクトプポ リュカオン ルストブロブ レウコンクラブ(湖畔の町シレネ) レウコンクラブ(パルナ海岸洞窟) レェアニートグリフォン レェアニートスウォーム レェアニートセタセタ レェアニートフラワー レェアニートベア レムナント ロゥバー ローゼンクラブ ローゼンシェル ロックワーム ロングホーン ワーカーアント ワーカースティール ワイヴァーン(コル島) ワイヴァーン(ラン島) ワィスプ・オルト・テラ ワィスプ・オルト・レカ ワムドの壁(敵キャラ名) ワンダリングエルム ストレイキャット ハーリィフォックス コー・ウォーカー ボスキャラ アーサーペント アーシーウッド アースエンヴェロープ 藍の淑女(ラン都) 藍の淑女(ラース) アスピドケロン アビステュナヘイル アベィア・グール アルセマスコンクエスター アン・ダーレス アンダーズローチ アンバランスドツリー イアリィシング(イサイア原生林) イーサライズビースト イグリガ ヴァイノールアーダ ウルファマト・キサカ エーゴドーワ エフニディアズモス エンシェントソウル エンドレスホイール オウガ 王呷鬼ウガィ 大鬼ギ・ルゼリ 狼人のキサカ 大禍鬼オズルマ 大禍鬼ゼノン 大禍鬼ゼノン(真の力) オブジェクトスキット オルタードマウス 海嘯獣テンタクルス カリプスイーター キヴァ・グザ ギヴニーランタン 忌鳥ヒュビュエル キャペルウェイト 巨蛸ポリュープス ギリードゥイン ギ・ロ(ギロ) ギロピース(1番目) ギロピース(2番目) ギロピース(3番目) グール クッシー クッシー(怒りモード) 薫衣竜 首切兎ナラフ 海月のノクトワイ クリスタルドレイク ケセランパセラン 血牀花メリリス 賢人のイン ケンタウリグローザ ケンタウリサージ 鋼鉄のロウ 黒死蝶 蠱毒のニケ サーペントイメージ サイクロン シアーフォウバタフライ シールドドッグ 灼熱のホノエ シャドウハウリング 白梟ニダィ 翠霊「九継」 翆霊「剛鼠」 翆霊「鴾羽」 翆霊「火蛇」 翆霊「雷葉」 翆霊「爛舌」 スウォーム ストーンゴーレム スレイブウォルフ セーフティビット 石泳虫イーリュ 隻鬼カハン(イベント) 隻鬼カハン(その他) ゼラチナスクラット ソードグラス ダークフォバイター 大岩獣ギリルキリ タロス チャームドリャータ ディープワンズ ディグオン ドゥヴィイ ドールンサイズ 土人のオルト ドレイドレンジャー ナックラヴィー 虹と暮す女王(エルセリ) ノエル・ガナッシュ(ボスキャラ名) ハウンド パリカスフラワー ハンドレッドレッグ 緋影のクィナ ピューテオ ブライトライト フライングシープ ブラスドラゴン プリン・アラモールド ブルーバード ブロードシーフ プロトサーバント ヘッドレス ヘリー・ヴァレンツ ペリュトン マーヴヴァイン 禍鬼ロゥグルゥウ マギ・サ(マギサ) マギサピース・ウィリ マギサピース・ルフ マギサピース・レウム 枉焔犬ブールゥ メタリックワンダラー メテオライトゴーレム 杜人のリゼラ ラク・ザ・キヴァ ラミア リグリィルート 裂人鳥ペリオン ロックパイル ロックビースト マーメイド 妖狐ミコト 狐提灯
https://w.atwiki.jp/pokeyakata/pages/281.html
よくある質問とか纏める予定 建設工事中
https://w.atwiki.jp/sysd/pages/1932.html
本店:和歌山市小松原通三丁目69番地 【商号履歴】 株式会社淺川組(1948年12月23日~) 【株式上場履歴】 <大証1部>1990年 月 日~1998年 月 日(会社更生法適用申請) <大証2部>1973年3月20日~1990年 月 日(1部指定) 【沿革】 大正11年 和歌山県海草郡下津町下津において“淺川組”(港湾荷役および土木建築請負業)を創業 昭和6年 鰈川隧道工事を施工 昭和6年 石材船5隻を建造、和歌山港捨石工事を請負う 昭和12年 丸善石油下津製油所建設工事が始まり土木工事を受注 昭和15年 住友金属和歌山工場建設工事土木工事を受注 昭和15年 沿岸荷役で兵庫、淡路島方面へ進出 昭和16年 東亜燃料工業和歌山工場建設工事受注 昭和23年 株式会社設立資本金500万円、土木建築請負業、港湾運送業、船舶代理店業を営業 昭和29年 ダム工事(古座川総合開発七川堰堤)施工 昭和38年 船舶代理店本船荷役関係分離、浅川組運輸(株)、紀南港湾運輸(株)設立 昭和38年 不動産部門が独立し、近和不動産(株)設立 昭和39年 消波ブロック四方錐、三方錐を開発、共同コンクリート工業(株)設立 昭和40年 大阪営業所を支店に昇格 昭和40年 資本金1億円に増資、和歌山市小松原通3-3に本社新社屋竣工 昭和42年 舗装部門が独立し、淺川舗道㈱設立(のち淺川道路(株))資本金2億円に増資 昭和44年 東京営業所を支店に昇格、高松営業所、鹿島営業所、水戸営業所開設 昭和47年 電算機導入(コンピューター会計を実施)不動産部門独立、浅川不動産(株)設立 昭和48年 高松営業所を四国支店に昇格、大阪証券取引所市場第ニ部上場(資本金3億3千万円) 昭和54年 120t吊旋回起重機船第7下津号建造 昭和56年 資本金6億2975万円に増資、「懸垂式浮消波堤に関する実験的研究」を土木学会に発表 昭和56年 超大型杭打船、第10下津号建造 昭和59年 北九州営業所、仙台出張所(のち東北営業所)、沖縄営業所開設 昭和59年 電算室を分離独立、アサカワコンピューターシステム(株)設立 昭和61年 大型鋼管杭打法における位置システムを開発 昭和62年 アサカワリフォーム(株)設立、川崎出張所開設、資本金14億9544万円増資 昭和63年 東北営業所開設(仙台出張所廃止)、資本金24億761万円に増資 平成元年 スイス・フラン建転換社債を発行、名古屋営業所を名古屋支店に昇格 平成2年 大阪証券取引所市場第一部銘柄指定、資本金41億3237万円に増資 平成9年 大型多目的作業船(350t吊グラブ25m3/削岩棒50t)「真洋」建造 平成10年 会社更生手続開始決定 平成11年 ISO9001認証取得 平成12年 更生計画の認可決定 平成14年 関西国際空港用地造成株式会社より2期空港島埋立工事(揚土その5)受注 平成16年 ISO14001認証取得 平成17年 新規事業、「環境事業」に取り組む 平成18年 会社更生手続き終結
https://w.atwiki.jp/sysd/pages/1949.html
本店:東京都港区新橋2丁目20番15号新橋駅前ビル1号館901号 【商号履歴】 しんとく建設工業株式会社(2000年6月~) 新日特建設株式会社(1999年6月~2000年6月) ロイヤル建設株式会社(1987年10月~1999年6月) 山田建設株式会社(1964年4月~1987年10月) 株式会社山田工務店(1952年4月~1964年4月) 【株式上場履歴】 <店頭>?~1993年1月8日(和議申請) 【沿革】 昭和23年10月 山田工務店として創業 昭和27年04月 株式会社山田工務店として法人化 昭和39年04月 山田建設株式会社に社名変更 昭和46年01月 資本金1億円に増資 昭和62年03月 福岡市に福岡支店設立。資本金31億6000万円に増資 昭和62年10月 ロイヤル建設株式会社に社名変更 平成11年06月 新日特建設株式会社に社名変更 平成12年06月 しんとく建設工業株式会社に社名変更 平成29年9月5日 東京都中央区京橋3丁目4番2号から本店移転
https://w.atwiki.jp/kirameku/pages/23.html
復興の槌音 脇ノ沢漁港海岸災害復旧事業工事 第73回全国植樹祭お野立所建設工事
https://w.atwiki.jp/sysd/pages/5651.html
日本通信建設 【商号履歴】 日本通信建設株式会社(1951年12月20日~1979年1月1日日本通信建設株式会社に合併) 【株式上場履歴】 <東証1部>1972年11月1日~1978年12月25日(日本通信建設株式会社に合併) <大証1部>1972年11月1日~1978年12月25日(日本通信建設株式会社に合併) <東証2部>1962年7月2日~1972年10月31日(1部に指定替え) <大証2部>1972年2月10日~1972年10月31日(1部に指定替え) 【沿革】 昭和26年12月 日本通信建設株式会社を設立、電気通信設備の建設工事の請負を開始。 昭和28年12月 本店を東京都港区に移転。 昭和32年8月 東京通建株式会社(昭和32年8月設立、現・連結子会社)の株式取得(35%)。 昭和35年9月 日東通建株式会社(昭和34年9月設立、現・連結子会社)の株式取得(33%)。 昭和36年8月 株式会社大栄製作所(昭和31年9月設立、現・連結子会社)の株式取得(50%)。 昭和37年7月 東京証券取引所市場第2部に株式を上場。 昭和43年5月 東京電話施設株式会社(昭和21年10月設立、現・連結子会社)の株式取得(38%)。 昭和47年2月 大阪証券取引所市場第2部に株式を上場。 昭和47年9月 大越電建株式会社(大正13年10月設立、現・連結子会社)の株式取得(96%)。 昭和47年11月 東京・大阪両証券取引所市場第1部に株式を指定替え。 昭和53年5月 通建機工株式会社を設立(現・連結子会社)。 昭和54年1月 株式の額面変更を目的として、日本通信建設株式会社(額面金額50円)に吸収合併。
https://w.atwiki.jp/fvb_sakura/pages/416.html
新着情報 ◎「宇宙造船の振興」が開始されました。 暮らしの情報 ★届出・手続 ◎「入国」「留学」「転藩」等の申込みは、「国民登録所」にて受け付けます。 ★藩の施設・窓口 ◎諸施設については、藩国要点の明示をご覧ください。 ★環境保全 ◎資源リサイクルのため、ゴミ収集の分別を徹底しましょう。 ★住宅 ◎「復興3ヶ月計画」 被災者向けの国民住宅を整備しました。 ★健康・福祉・文化 ◎ナイトメア被害者への補償が始まりました。 ◎国民の医療福祉の増進を目的とした「医療制度改革」が実施されました。 ◎「サイボーグ医療に関する規制」を公開しました。 ◎「クローン諸法度」が発布されました。医療関係者は特に注意してください。 ◎食の安全と健康を守るため、生産者から消費者までの流通経路を確認するための「食品トレーサビリティー制度」を導入しました。 観光情報 ★観光情報 ◎「誉巳神社」が一般公開されました。 ◎「大社」が一般公開されました。 ★工事情報 ◎現在情報はありません。 ★地図・アクセス ◎FVBへの入国には帝國環状線から「FVB中央総合駅」をご利用ください。 ◎「藩国地図」は現在改訂作業中です。 事業向け情報 ★入札・契約・公売・募集 ◎FVB中央総合駅の建設工事入札を実施しました。 ◎警察署・病院・消防署・医薬品工場の建設工事入札を実施しました。 ★都市計画・産業振興 ◎「宇宙造船の振興」が開始されました。 ◎銀河鉄道が「FVB中央総合駅」 に乗り入れました。 ◎緊急財政支出がおこなわれ、大規模インフラ整備等が実施されました。 FVB藩政 ★組織 ◎FVBの犬士たちを紹介し、名付け親を募集しました。 ◎町奉行所を開設しました。 ◎宙奉行所を開設しました。 ◎勘定奉行所を開設しました。 ★瓦版 ◎「はなびら瓦版」 をご覧下さい。 ★パブリックコメント ◎コメントは掲示板該当スレまたはチャットまで。
https://w.atwiki.jp/genpatsu-seijika/pages/134.html
山口県、原発建設工事の中断を申し入れ 山口県の二井関成知事は14日、福島第一原発の爆発事故を受け、 中国電力が進める上関原子力発電所について、建設工事の中断を同社に申し入れたことを明らかにした。 同社の松井三生副社長と13日に会談した西村亘副知事が、 上関原発が福島第一原発と同じ沸騰水型であることに触れ、 「国と東京電力の対応を見極め、必要な措置を講じてほしい」と、工事中断を求めた。 松井副社長は「申し出の趣旨は重く受け止める」と答えたという。 中電によると、上関原発はマグニチュード(M)8・6の地震を想定し、4・6メートルの津波に耐えられる護岸を整備する計画。 二井知事は「今回、上関原発で想定する規模を超す地震(M9・0)が発生し、事故が起きたのだから、 国や中電は今後どうするかを考えることになるだろう。工事を中断して対応してほしい」と述べた。 ★上関町も工事自粛を求めた原発危機、玄海町長「安全神話崩れかけている」 事故が続く福島第一原発で高い放射線量が観測された15日、九州・山口の原発の関係者から一斉に不安の声が上がった。 山口県が13日に建設中断を要請した中国電力上関原子力発電所(山口県上関町)。 15日午前には共産党県東部地区委員会の幹部らが町に工事中止を要望し、 下村正和・副町長は「町としても中電に工事自粛を求め、福島原発について情報収集をしている」と話した。 九州電力玄海原子力発電所がある佐賀県玄海町の岸本英雄町長は「安全神話が崩れかけている」。 14日に町議会原子力対策特別委員会で、九電側から対応策などの説明を受けたばかりだったが、 町長は「再度、特別委を開くよう議会側に要請したい」と話した。 また、福島県白河市で給水支援をしていた山口市上下水道局の職員4人は15日午前、群馬県内に退避。 福岡市は15日夕に下水道関係などの職員8人を仙台市に派遣予定だったが、出発を見送ることにした。 一方、九州電力は「情報収集に努め、技術者の派遣や資機材の支援などできる限り協力したい。 玄海、川内原発については最大限の注意を払い、安全運転に努めていく」とのコメントを発表した。 (2011年3月15日 読売新聞)
https://w.atwiki.jp/hanrei/pages/393.html
1 人格権に基づく産業廃棄物処理施設(管理型最終処分場)の建設差止請求を認容した事例 2 上記処理施設の建設に対し反対した住民らに対する損害賠償請求が棄却された事例 主 文 1 甲事件原告A,同B,同C及び同Dの請求をいずれも棄却する。 2 甲乙事件被告は,前項の4名とEを除く甲事件原告ら及び乙事件原告らに対する関係で,別紙物件目録記載の土地について,産業廃棄物処理施設(管理型最終処分場)を建設してはならない。 3 甲事件のうち原告Eに関する部分は,平成17年9月8日同原告の死亡により終了した。 4 丙事件原告の請求をいずれも棄却する。 5 訴訟費用は,第1項の原告4名について生じたものを同原告らの負担と するほか,すべて甲乙事件被告・丙事件原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 甲乙事件原告ら(以下,単に「原告ら」という。)の請求 甲乙事件被告(丙事件原告。以下「被告会社」という。)は,別紙物件目録記載の土地(以下,一括して「本件予定地」という。)について,産業廃棄物処理施設(管理型最終処分場)を建設してはならない。 2 被告会社の請求(丙事件) 丙事件被告らは,被告会社に対し,連帯して,金5268万0786円及びこれに対する平成12年10月4日から(ただし,別紙「丙事件被告目録」に表示の番号21の被告については同月5日から,同22の被告については同月6日から,同23の被告については同月11日から,同24の被告については同月31日から)支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 本件事案の要旨(一部判断を含む。) 1 本件の甲乙事件は,鹿児島県鹿屋市内のa町などに居住する原告らが,被告会社が本件予定地において建設を進めている産業廃棄物処理施設(管理型最終処分場)(以下「本件処分場」という。)につき,同施設から有害物質を含む浸出液が漏洩して地下水に混入することなどにより,原告らが飲用を含む生活水として使用している井戸水が汚染されるおそれがあるとして,人格権に基づいて,その建設の差止めを求めた事案である。 2 一方,丙事件は,F,B及びGを除く丙事件被告ら21名と亡E(承継前丙事件被告。その訴訟承継の点については次の3参照。以下,この計22名を「Eら22名」という。)の実力行使により本件処分場の建設を妨害されたと主張する被告会社が,上記22名による共同不法行為を理由に損害賠償を求めた事案である(なお,被告会社が主張する損害額は前記請求額を上回っているが,これは,一部請求の趣旨である。また,附帯請求は,訴状送達日の翌日からの,民法所定の割合による遅延損害金の請求である。)。 3 なお,甲事件原告(丙事件被告)の1人であったEが平成17年9月8日に死亡したとして,夫のH(甲事件原告・丙事件被告)及び二男のB(甲事件原告)のほか,長男のF(甲事件原告の1人であったが,訴えを取り下げていた。)及び三男のGから受継の申立てが行われているが,丙事件の関係で訴訟が承継されたことに問題はないものの(ただし,本来であれば,子である承継人に対しては,その相続割合の限度で他の21名の被告との連帯支払が求められるべきであるが,被告会社は,その旨の補正をしなかった。),人格権に基づく差止請求権を訴訟物とする甲事件の関係では,それがE自身の生命・身体の安全等に対する妨害を予防するための一身専属的な請求権であって,相続の対象となるものではないと解されることから,訴訟承継の余地はなく,甲事件のうち同原告に関する部分は,その死亡に伴い当然に終了したものというべきである。 よって,この点を明確にするため,主文において,いわゆる訴訟終了宣言を行うこととする(したがって,以下における「原告ら」という表記についても,その死亡後のことに関してはEを除く意味で用いるものである。)。 第3 基礎となる事実 1 当事者等 (1) 原告らはいずれも鹿屋市民であり,そのほとんど(甲事件原告A,同B,同C及び同D以外)は,本件予定地から約1.5キロメートルの範囲内にある同市b町か,本件予定地から肝属川沿いに約3ないし4.5キロメートル下流に位置する同市a町に居住している(弁論の全趣旨)。 (2) 被告会社は,平成元年にソフトウェアの開発及びその販売等を目的として設立された後,平成6年に産業廃棄物の収集運搬及び処理業等がその目的に追加された株式会社である(争いのない事実)。 (3) 被告会社と,本件予定地内に産業廃棄物の安定型最終処分場(以下「本件旧処分場」という。)を設置した上,平成9年4月までこれを運営していた南日本建設工業株式会社(以下「南日本建設」という。)とは,平成11年3月まで代表取締役(I。以下「I」という。)が共通であったほか,Iに代わって南日本建設の代表取締役に就任したのも,従前から被告会社の取締役も務めていた人物であるなど,役員構成を含めて極めて密接な関係にあったところ,被告会社(その後,複数の代表取締役を置くようになっており,本件訴訟の関係ではJが代表者となっている。ちなみに,同人は弁護士経験を有する人物である。)は,遅くとも平成7年1月ころから,本件予定地に本件処分場(産業廃棄物の管理型最終処分場)を建設することを計画しており,その設置について廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃掃法」という。)15条1項の規定に基づく鹿児島県知事の許可を平成10年7月2日付けで取得した後の平成11年4月に着手した建設工事を現在は中断しているものの,なお続行する意思を有している(甲2,甲3,甲21の1及び2,乙187,乙230,弁論の全趣旨)。 2 産業廃棄物の処分に関する法的規制の概要等 (1) 産業廃棄物とは,事業活動に伴って生じた廃棄物のうち,燃え殻,汚泥,廃油,廃酸,廃アルカリ,廃プラスチック類などをいい(廃掃法2条4項,同法施行令2条),その処理については事業者が自ら行うのが原則であるが,許可を受けた処理業者に収集,運搬及び処分を委託することもできるところ,いずれにせよ,その収集,運搬及び処分に関しては,同法12条1項にいう「産業廃棄物処理基準」又は12条の2第1項にいう「特別産業廃棄物処理基準」に従って行わなければならないこととされている(同法11条1項,12条1項,3項,12条の2第1項,第3項,14条12項,14条の4第12項)。 そして,上記各基準を定めた同法施行令6条及び6条の5によれば,産業廃棄物の中でも特に有害なもの(正確には,6条1項3号ハの(1)から(5)までに掲げる産業廃棄物と,6条の5第1項3号イの(1)から(6)までに掲げる特別産業廃棄物)の埋立処分は,「公共の水域及び地下水と遮断されている場所で行うこと」とされる一方,それ以外の産業廃棄物(その中には,6条1項3号イ所定の「安定型産業廃棄物」も含まれる。)の埋立処分に当たっては,3条3号ロの規定の例により,原則として,埋立地(埋立処分の場所)からの浸出液による公共の水域及び地下水の汚染を防止するために必要な「環境省令で定める設備の設置その他の環境省令で定める措置」を講ずべきこととされており(6条1項3号ニ,ホ,6条の5第1項3号ロ,ハ),この「設備」及び「措置」を定めた廃掃法施行規則1条の7の3及び1条の7の4では,その措置の1つとして,それぞれ一定の条件を備えた①遮水工,②保有水等(廃棄物の保有水及び雨水等をいう。)集排水設備,③浸出液処理設備及び④開渠等の設備を設けることが掲げられている。 (2) 一方,廃掃法15条1項及び同法施行令7条14号によれば,その設置について都道府県知事の許可を受けることが必要な「産業廃棄物の最終処分場」には,①上述の特に有害な産業廃棄物の埋立処分の用に供されるもの(同号イ。遮断型最終処分場)と,②安定型産業廃棄物の埋立処分の用に供されるもの(同号ロ。安定型最終処分場)及び③それ以外の産業廃棄物の埋立処分の用に供されるもの(同号ハ。管理型最終処分場)の3種類があるところ,このような許可制が採られているのも,同法の目的である「生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図る」ためである(同法1条参照)。 これらの最終処分場を含む産業廃棄物処理施設の設置に関する許可の基準については,同法15条の2第1項に規定があり,当該施設の設置に関する計画が「環境省令で定める技術上の基準」に適合していること(同項1号)などが要件とされているほか,許可後における施設の維持管理に関しても,「環境省令で定める技術上の基準」及び当該施設の許可に係る申請書に記載した維持管理に関する計画に従ってこれを行うべきことを定めた規定(同法15条の2の2)が設けられている。 もっとも,被告会社が本件処分場の設置について許可の申請をした当時においては,上記で引用した許可要件の内容は「厚生省令(産業廃棄物の最終処分場については,総理府令,厚生省令)で定める技術上の基準に適合していること」(平成9年6月18日法律第85号による改正前の廃掃法15条2項1号)というものであったところ(なお,上記改正前の施設の維持管理に関する規定は「産業廃棄物処理施設の設置者は,厚生省令(産業廃棄物の最終処分場については,総理府令,厚生省令)で定める技術上の基準に従い,当該産業廃棄物処理施設の維持管理をしなければならない」(15条5項)というものであった。),ここでいう「総理府令,厚生省令」である「一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める命令」(昭和52年3月14日総理府令・厚生省令第1号。これは,現在の廃掃法15条の2第1項1号にいう「環境省令」に該当するものである。以下「共同命令」という。)についても,被告会社が許可申請をした後に,平成10年6月16日総理府令・厚生省令第2号による改正が行われており,上記申請については,本来,この改正前の共同命令への適合性が許可要件の1つとして問われるべき関係にあったが,実際には,鹿児島県側から改正後の基準に適合する計画内容にするようにとの指導があり,被告会社のほうもこれを受け入れたことから,改正後の共同命令による基準に基づいて審査・許可が行われたという経緯がある(乙166,弁論の全趣旨)。 ちなみに,上記共同命令の改正は,例えば管理型最終処分場の遮水シートから汚水が浸み出て周辺の生活環境を悪化させるのではないかという不安が持たれていたり,埋立処分を終了した最終処分場からガスの排出等がみられる例もあるなど,最終処分場に対する国民の信頼が損なわれかねない状況にあることから,最終処分場の構造及び維持管理の基準の強化により安全性をより高め,都道府県知事等が行う最終処分場の設置許可の審査や指導監督がこれらの基準に則して厳格に行われるようにするとともに,埋立処分を終了した最終処分場について,その安全性が確認されることなく維持管理が打ち切られて,生活環境の保全上の支障を生じることがないよう,最終処分場の廃止についての監督の強化を図る必要があるとして実施されたものであり,改正の柱の1つであった管理型最終処分場に係る構造基準及び維持管理基準の強化・明確化の関係では,①遮水工に係る基準の強化・明確化,②浸出液の処理等に係る基準の強化・明確化のほか,③地下水等の水質検査の実施や,④維持管理に関する記録の作成及び保存の点が改正の要点であった(以下,上記改正後の共同命令を「改正共同命令」という。)(甲4001)。 (3) 管理型最終処分場について改正共同命令が定める技術上の基準中,本件で問題となるものの概要は,以下のとおりである。 ア 埋め立てる廃棄物の流出を防止するための擁壁等の設備(自重,土圧,水圧等に対して構造耐力上安全であり,かつ,廃棄物,地表水,地下水及び土壌の性状に応じた有効な腐食防止のための措置が講じられたもの)が設けられていること(2条1項4号,1条1項4号)。 〔なお,共同命令の運用に伴う留意事項を掲げた平成10年7月16日付け「環境庁水質保全局企画課海洋環境・廃棄物対策室長」及び「厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長」の通知(以下「留意事項」という。)によれば,擁壁等が埋立地の一部を構成する場合には,保有水等の埋立地からの浸出を防止するために共同命令1条1項5号イ(1)が規定する遮水層と同等の遮水の機能を有する必要がある点に留意すべきものとされている(甲4001)。〕 イ 埋立地からの浸出液による公共の水域及び地下水の汚染を防止するための以下の措置が講じられていること(2条1項4号,1条1項5号柱書)。 ①(遮水工の設置) 保有水等の埋立地からの侵出を防止するため,当該埋立地に不透水性地層がある場合を除き,次の要件を備えた遮水工又はこれと同等以上の遮水の効力を有する遮水工を設けること(同号イ)。〔なお,本件予定地の地層であるシラスは,上記の不透水性地層には該当しないものである(弁論の全趣旨)。〕 (ア) 次のいずれかの要件を備えた遮水層又はこれらと同等以上の効力を有する遮水層を有すること(同号イ(1)の(イ)ないし(ハ))。 1) 厚さが50センチメートル以上であり,かつ,透水係数が毎秒10ナノメートル以下である粘土その他の材料の層の表面に遮水シートが敷設されていること。〔なお,透水係数とは,地盤上の水位が1センチメートルで変動しないと仮定した場合に水が地盤を浸透する速度を意味するものである(乙26)。〕 2) 厚さが5センチメートル以上であり,かつ,透水係数が毎秒1ナノメートル以下であるアスファルト・コンクリートの層の表面に遮水シートが敷設されていること。 3) 不織布その他の物(二重の遮水シートが基礎地盤と接することによる損傷を防止することができるものに限る。)の表面に二重の遮水シート(その間に,埋立処分用の車両の走行等による衝撃などで双方のシートが同時に損傷することを防止することができる十分な厚さ及び強度を有する不織布その他の物が設けられているものに限る。)が敷設されていること。 〔なお,留意事項によれば,遮水シートは,アスファルト系以外のものについては1.5ミリメートル以上の厚さを有することを要し,また,①埋立地内部の保有水等を浸出させない十分な遮水性,②廃棄物等の荷重・車両等による衝撃力・基礎地盤の変位及び温度応力に対応できる性能(強度及び伸び),③紫外線に対する耐候性,④季節の推移や廃棄物の分解反応による温度変化に対する熱安定性,⑤耐酸性及び⑥耐アルカリ性を有すべきものとされている(甲4001)。〕 (イ) 基礎地盤は,埋め立てる産業廃棄物の荷重その他予想される負荷による遮水層の損傷を防止するために必要な強度を有し,かつ,遮水層の損傷を防止することができる平らな状態であること(同号イ(2))。 ②(地下水集排水設備の設置) 地下水により遮水工が損傷するおそれがある場合には,地下水を有効に集め,排出することができる堅固で耐久力を有する管渠その他の集排水設備(地下水集排水設備)を設けること(同号ハ)。 ③(保有水等集排水設備の設置) 埋立地には,保有水等を有効に集め,速やかに排出することができる堅固で耐久力を有する構造の管渠その他の集排水設備(保有水等集排水設備)を設けること(同号ニ)。 〔なお,留意事項によれば,保有水等集排水設備は,埋立地の地形条件,保有水等の流出量等を考慮に入れて施工し,スケール等による断面の縮小にも対応できるよう管路の径を十分に大きくとるべきであるとされ,また,目詰まり防止のため,管渠等の周囲に砕石等の被覆材を敷設することも有効であるとされている(甲4001)。〕 ④(調整池の設置) 保有水等集排水設備により集められ,次の浸出液処理設備に流入する保有水等の水量及び水質を調整することができる耐水構造の調整池を設けること(同号ホ)。 ⑤(浸出液処理設備の設置) 保有水等集排水設備により集められた保有水等に係る放流水の水質を,排水基準を定める総理府令1条に規定する排水基準等に適合させることができる浸出液処理設備を設けること(同号へ)。 〔なお,留意事項によれば,浸出液処理設備を設けるに当たっては,処理する浸出液の量が最小かつ平均的になるようにすべきであり,また,浸出液の質に応じて,沈殿設備,ばっ気設備,ろ過設備等の設備を組み合わせて設置するのが一般的であるとされている(甲4001)。〕 3 本件処分場の設置計画の概要 一方,被告会社による本件処分場の設置計画の概要については,次のとおりである(甲3016,乙1,乙2,弁論の全趣旨)。 (1) 設置場所 本件予定地は,シラス台地である笠野原台地の北端にあり,肝属川上流に位置する。その形状は別紙「現況平面図」のとおりであり,中心付近が低く,北側,東側及び南側が高い,すり鉢状の地形となっている。なお,前記許可における施設用地の面積は7万1150平方メートルであり,そのうち5万1793平方メートルを埋立地として使用する計画となっている。 (2) 予定埋立廃棄物等 埋立処分する産業廃棄物としては,鉱さい,汚泥,燃え殻,ばいじん類,「13号廃棄物」(廃掃法施行令2条13号所定の産業廃棄物),がれき類,金属くず,ガラスくず及び陶磁器くず,ゴムくず,廃プラスチック類が予定されており,上記面積の埋立地を1区画5000平方メートル以下の8ブロックに分割した上,1区画ごとに高さ5メートルの盛土による堤を作って,1番区画から順に埋立てを行い,8番区画まで終了すれば再び1番区画から同様に埋立てを行う方法で処理する計画である。 本件処分場の処理能力は1日あたり37.3立方メートル,総埋立容量は136万5373立方メートルで,稼働後10年で埋立てが終了する計画である。最終的な埋立地内の貯留構造物の高さは最も高い所で約40メートルに達する予定である。 (3) 設備の概要 本件処分場の遮水工は,別紙「遮水シート工断面図」のとおり,不織布と厚さ2ミリメートルのニポロンシートSS(ポリエチレン製の遮水シート)を二重にして用い,その間にマット(保護材)を挿入した上で上下のシートを一体化して敷設し,更にその下部にベントナイト混合土又はベントナイトシートを敷設したものが予定されている。 また,保有水等集排水設備は,遮水シートの上に敷設した直径600ミリメートル(幹線)及び300ミリメートルの高密度ポリエチレン管よりなるものが予定されている。 一方,本件処分場の浸出液調整池(以下「本件調整池」という。)の処理能力は1日あたり390立方メートル,その容量は8141立方メートルの計画である。 また,本件処分場における浸出液の処理過程は,別紙「排水処理装置フローチャート」のとおりであり,この過程を経て処理された水は,本件処分場の西側にある国道504号線を横切る暗渠(排水路)を通じて,1日あたり390立方メートルの割合で肝属川に放流されることになっている。 本件処分場の地下水集排水設備は,直径600ミリメートル(幹線)及び300ミリメートルの高密度ポリエチレン管よりなるもので,地下水は通常は(雨水調整池を経て)そのまま肝属川に放流されるが,センサーによって水質の変動を常時監視し,異常な水質変動を検知した場合には,地下排水を本件調整池に流入させることが可能な構造とする計画になっている。 なお,本件処分場の建設工事は南日本建設が行うことになっており,許可申請の段階においては,着工は平成9年7月とし,樹木等の伐採と掘削・調整池・浸出液処理施設・遮水工に係る工事の全部又は一部を終わらせた上,翌年(平成10年)6月から産業廃棄物の埋立てを始める予定になっていた。 4 本件処分場の設置許可に至るまでの経緯 前記のとおり,被告会社は,本件処分場の設置に関する鹿児島県知事の許可を平成10年7月2日付けで取得しているところ,これを得るまでの主な経過については,以下のとおりである(甲4,甲6,甲27の1から29の6まで,甲41から47まで,甲52,甲55,乙2,乙159,乙162,乙163の1から167まで,乙187,乙212,弁論の全趣旨)。 (1) 事前協議の状況等 平成7年1月25日,被告会社は,本件処分場を設置するため,鹿児島県(以下「県」という。)に対し,「鹿児島県産業廃棄物の処理に関する指導要綱」7条に基づく事前協議書を提出した。 これに対し,県知事は,同年11月16日,上記指導要綱8条に基づき,事前協議を要する「関係地域」として,いずれも鹿屋市b町のc集落及びd集落を指定するとともに,鹿屋市との協議事項を定めた(なお,原告らの多くが居住する上祓川地域については,上記c集落が本件予定地から概ね1キロメートル,原告らの一部が居住するd集落でも概ね1.5キロメートルの範囲にあるのに対し,約3キロメートル以上離れていることから,騒音,振動,悪臭等の影響はないし,本件処分場からの浸出液についても,排水基準を遵守して処理される以上,下流域への環境の問題はないということで,その生活環境に著しい影響はないと判断され,関係地域には指定されなかった。)。 被告会社は,上記指定のあった当日(平成7年11月16日)にc集落に対する説明会を実施し,同年12月12日付けで同集落から本件処分場の設置についての承諾を得たほか,平成8年1月24日には,鹿屋市との協議を実施した。 一方,d集落に対する説明会は,平成7年11月11日に開催され,その後も断続的に協議が行われたが,住民の意見がまとまらず,結局,平成8年3月24日に開かれたd町内会の総会において,反対の意見と,やむを得ないとする意見(心情的には反対の気持ちもあるが,法律的に本件処分場の設置を阻止できないのであれば,被告会社が説明会の中で約束してきたことを誠実に守ることを条件に認めるとの意見)があることを被告会社に伝えることとし,町内会としては賛成又は反対の意思表明は行わずに協議を終了するとの結論に至り,翌25日,その通知を受けた被告会社を通じて県にも報告が行われた(なお,同月には,a町内会長及びe町内会長から提出されていた,本件処分場の建設に反対する旨の陳情が,鹿屋市議会において採択された。)。 そして,平成8年9月3日には,県から鹿屋市及び被告会社に対し,指導要綱に基づく事前協議が完了したことの通知がされたところ,これに対し,本件処分場の建設に反対する住民らは,まだ被告会社との協議は尽くされていないとして,県に上記通知の保留,撤回を求め,鹿屋市長も,同市議会において,事前協議は完了していない,本件処分場を建設するのであれば公共関与型のものを検討すべきである旨の答弁を行うとともに,同月19日には,県知事あてに上記通知の撤回を求める旨の文書を提出したが,県は,撤回はできないとの回答をした。 (2) 許可申請後,公共関与が模索された状況等 被告会社は,南日本建設が平成9年4月10日付けで本件旧処分場の廃止手続をした後の同年5月1日,県知事に対し,本件処分場の設置許可の申請をしたところ,翌2日,県から公共関与方式で本件処分場を運営することについて打診を受けたので,県とその協議を行った。その後も両者間の協議は継続して行われ,同年6月には,c町内会f班から,被告会社が単独で本件処分場を運営することについては,同処分場からの有害物質の流出や,産業廃棄物の不法投棄,埋立終了後の維持管理などの点で住民に不安があるとして,公共関与を求める旨の陳情が県議会及び鹿屋市議会に提出されたが,この陳情は同市議会において不採択とされた。 しかし,その後,同年8月12日にd町内会から公共関与を求める要望書が出されたのに続いて,同月27日には,g町とb町の11の町内会の会長で構成されるh地区町内会長連合会からも同様な要望書の提出があったため,鹿屋市議会は,同月26日に提出されたa町内会からの本件処分場建設反対の決議書とともに,上記c町内会f班の陳情を再び審査することになり,県及び鹿屋市も公共関与への賛成を求めたが,同市議会は,同年9月17日,本件予定地が肝属川の源流にあたり立地条件が悪いとの理由で再び不採択とし,ここにおいて,県及び鹿屋市は公共関与を断念した。 なお,鹿屋市は,同年10月,被告会社に対し,本件予定地の買取り及び本件処分場の建設の中止を申し入れたが,被告会社は,その譲渡を拒否し,単独で建設計画を続行する旨を表明した。一方,鹿屋市議会は,同年11月,その建設に反対する旨の意見書を県知事に提出することを可決した。 (3) その後,設置許可がされるまでの状況等 ところで,原告らの一部は,いずれも南日本建設が本件旧処分場から搬出した土砂で嵩上げをしたとされる鹿児島県曽於郡(現鹿屋市)i町jのK所有の農地(以下「i町の農地」という。)と鹿屋市cのL所有の農地(以下「cの農地」という。)を調査することとし,前者については平成10年1月16日に,後者については同年3月13日にそれぞれ深さ3ないし5メートル程度まで掘削したところ,いずれの農地からもコンクリート塊などの廃棄物が発見されたため,その旨を県に通報した。 これを受けて,県は,i町の農地については,同年1月16日から同年2月24日までの間に計5回,cの農地については,同年3月13日から5月25日までの間に計10回,それぞれ現地調査や関係者からの聞き取り及び関係書類の確認等の調査を実施した。 その間の同年1月27日,被告会社から県知事に対し,本件処分場の建設を遂行するのに必要な,森林法10条の2に基づく林地開発行為の許可申請が行われ,県知事が,同条6項により鹿屋市長に意見照会を行ったところ,鹿屋市長は,同年4月,本件旧処分場の廃棄物処理に関し被告会社の関係者に違法な行為がなかったかどうかについての県の調査が終了するまで,開発許可の審査を留保するとともに,調査結果を報告するよう求める旨の意見書を提出した。 県は,i町の農地の廃棄物については,平成9年7月から9月にかけて南日本建設とともに本件旧処分場から土砂の搬出をして農地の嵩上げをした有限会社森光運輸(以下「森光運輸」という。)が同社の車庫周辺にあったコンクリート塊,タイヤ,木の根などを投棄したものであり,また,cの農地の廃棄物については,その所有者であるLが畜産施設を取り壊した際に生じたコンクリート塊やアスファルトを自ら埋めたものであって,いずれも本件旧処分場から搬出されたものとは認められないという調査結果報告書を作成し,平成10年6月25日に鹿屋市に対しこの調査結果を報告,説明するとともに,原告らの一部に対してもそのころ上記報告書を送付した。 これに対し,原告らの一部は,同月29日に県庁を訪れて,iの農地にあった汚泥状の土砂からシアンが検出された旨を述べるなどして再調査を求めるとともに,本件処分場の設置許可を出さないよう申し入れた。また,翌30日には,鹿屋市議会も,上記調査結果は鹿屋市民が納得し得るものではないとして,再調査と本件処分場の設置許可申請に対する審査の見直しを求める旨の要望書を県知事に提出した。 その後,原告らの一部は,県から被告会社が県職員立会いの下で同年7月2日に話合いをすることを望んでいるという連絡を受けたことから,同日,鹿屋市の合同庁舎において被告会社と協議をもったが,被告会社のほうでは,実質的な話合いは事前協議で尽くしたとして,事業の説明と質疑応答のみを予定していたのに対し,原告らの側は実質的な話合いを行う説明会の日時等に関する協議と理解していたため,同日の協議は物別れに終わったところ,その日の夕刻になって,県知事は,被告に対し,本件処分場の設置及び林地開発行為について許可をするに至った。 なお,これに対し,原告らの一部が翌3日に県庁を訪れて,抗議文を提出するとともに,i町の農地から掘り起こされたコンクリート塊などを積載したダンプカー4台を県庁に横付けして,県知事に対し現地調査をするよう要求したところ,県知事は2週間以内にこれを行うことを約束した。 5 その後の事情 (1) 平成10年7月8日,県は,i町の農地において,地表から深さ3メートルの地点,4メートルの地点及び5メートルの地点の合計3か所から検体となる土壌を採取し,土壌の汚染に係る環境基準に定める24項目の調査を実施したが,同月31日に出された分析結果によれば,全項目が上記基準を下回っており,シアンも検出されなかった(甲55)。 その間の同月14日に県知事が上記農地を視察した際,その所有者からも再調査の要望があったため,県は,再調査を約束し,同年9月8日にこれを実行し,同農地の入口側2か所を縦6メートル,横6メートル,深さ6メートルの範囲で森光運輸に掘り起こさせたところ,10トントラック約1台分のコンクリート塊などが掘り出されたため,翌9日にかけて,森光運輸に,以前掘り出された廃棄物(土砂を含めて10トントラック約9台分,廃棄物のみで約6台分)と共にこれを搬出させた(甲55)。 (2) 平成11年1月22日,鹿屋市長は,原告らの一部を含む,本件処分場の建設に反対する住民と話合いをした際,鹿屋市が本件予定地を買い取るよう求める要望が出されたことから,再び被告会社に対して本件予定地の買取りを申し入れることで反対住民らと合意した(甲20の2,甲61の2)。 被告会社は,同月25日,本件処分場を建設するため,本件予定地の樹木の伐採行為に着手したところ,原告らは,同年2月11日に開催された住民集会で,伐採を着工とみなして直ちに提訴することはせず,引き続き安全性に関する説明会を開催するよう被告会社に求めるとともに,話合いの余地を残す方針を確認した(甲62の1,乙170)。 その間の同年2月5日,鹿屋市長,上記反対住民及び被告会社による三者協議が行われ,被告会社に対して改めて鹿屋市による本件予定地の買取りの申入れがされるとともに,住民への説明会の開催について協議が行われたが,被告会社側が,最初に町内会の役員,班長と話合いをした上で,町民全体に対する説明会を行いたいとしたのに対し,反対住民側は,代表者との話合いをしたことで説明会を開いたことにされるのを恐れ,あくまで住民全体への説明会の開催を求めたことから,両者の主張は平行線をたどり,鹿屋市長も同月25日ころ,説明会の開催に関する両者間の調整を断念した(甲61の1から3まで,甲62の2)。 (3) 平成11年4月18日,被告会社は,本件予定地に立入り禁止の杭打ちを実施して,本件処分場の建設工事(以下「本件工事」という。)に着手した(甲62の3,乙187)。 これに対し,原告らは,本件予定地の入口部分の道路(国道504号線)の反対側に監視小屋を建てた上,日曜日と祝日を除く毎日,21ある町内会の班員が交代で監視を行い,本件工事の作業が始まるとサイレンを鳴らして農作業等をしている仲間を集め,このようにして集った者において,説明会を開くまで工事を中止するよう,口々に作業員に訴えるほか,時には重機を取り囲んで作業ができないようにしたり,あるいは互いに手をつないで本件予定地の入口に立ちはだかってダンプカー等が入るのを阻止するなどの活動を行うようになったところ,Eら22名も,この活動に積極的に参加していた(甲19,乙119,乙172,乙196,弁論の全趣旨)。 その後,梅雨のために重機を使用しての本件工事を中断していた被告会社が同年7月7日に工事を再開したことから,原告らは,再び上記のような工事中止要請のための直接行動を開始したが,8月に入って警察から警告があったため,これを中止したところ,同年8月23日,原告らの大半を含む,本件予定地の周辺住民から本件工事の禁止を求める旨の仮処分の申立てが行われ(鹿児島地方裁判所平成11年ヨ第260号事件),いわゆる訴訟外で,仮処分の申立てに対する決定が出るまで本件工事を中止することが合意されたのを受けて,同年8月31日には工事現場から重機等が引き上げられたが,さらに,平成12年3月31日,上記住民の一部の申立てを認容して工事の禁止を命ずる仮処分決定が出されたことから,本件工事は本件予定地の掘削の段階で中断された状態となって現在に至っている(甲20の2,甲62の5,甲63,甲3016,乙119,乙120,乙187,乙196,弁論の全趣旨)。 なお,原告らの一部が平成17年3月23日にi町の農地を深さ9メートル程度まで掘削したところ,コンクリート塊,鉄くず,ビニールシート,ゴムシート,汚泥などが新たに発見された(甲57,弁論の全趣旨)。 第4 争点 1 本件差止請求に関する主張・立証責任についてどのように考えるべきか。 (原告らの主張) (1) 管理型最終処分場で埋立処分される産業廃棄物の中には,シアン,総水銀,アルキル水銀,鉛,六価クロム,カドミウム,ヒ素,PCB,有機リン等の重金属類,トリクロロエチレン,テトラクロロエチレン(以上の11物質は「有害11品目」と呼ばれ,最も初期の段階から規制されていた有害物質である。)などの,多くの重金属類及び化学物質類が含有されている。 管理型最終処分場で埋立処分される燃え殻は,産業廃棄物を中間処理施設で焼却処理をした時に発生した灰であり,集塵設備を備えている特殊な焼却施設でゴミが焼却された場合,その焼却後に発生する灰は,焼却施設の下側に残されているボトムアッシュと,集塵設備に集められたフライアッシュの2種類に分けられる。 燃え殻は,水銀,カドミウム,鉛,六価クロム,ヒ素,セレン及びそれらの化合物が,内閣府令に定める基準以上であれば遮断型最終処分場で,基準以下であれば管理型最終処分場でそれぞれ埋立処分されることになっているので,法律自体が,燃え殻に,水銀,カドミウム,鉛,六価クロム,ヒ素,セレン及びそれらの化合物が含まれていることを前提としている。 一方,フライアッシュ(ばいじん)に関しては,法令により,重金属類が溶出しないように,あるいは酸その他の溶媒に重金属類を十分に溶出させた上で,化学的に安定した状態にして処分又は再生するように規定されていることから,重金属類が含有されていることが想定されている。 また,同じく管理型最終処分場で埋立処分される汚泥については,水銀,カドミウム,鉛,六価クロム,ヒ素,セレン,シアン,有機リン,PCB,揮発性物質(トリクロロエチレン,テトラクロロエチレン,ジクロロメタン,四塩化炭素,1,2-ジクロロエチレンなど),チラウム,シマジン,チオベンカルブ等の有害物質が基準値以下であれば管理型最終処分場で埋立処分され,基準値以上であれば遮断型最終処分場で埋立処分されるか,基準値に適合するまで処理された上で,管理型最終処分場で埋立処分されるのであるから,法は上記物質が汚泥に含有されていることを前提にしている。 さらに,テレビの燐光体にはカドミウムが使われているし,水道管は鉛でできており,塗料,酸化剤及びプラスチックの可塑剤には,六価クロム等の重金属類のほか,多くの揮発性物質が含まれているが,これらも管理型最終処分場で埋立処分されるものである。 (2) ダイオキシン類(従来はポリ塩化ジベンゾ・パラ・ジオキシンとポリ塩化ジベンゾフランの2つとされていたが,近年ではコプラナーポリ塩化ビフォニールをも含むものとされている。)の発生メカニズムは未解明であるが,塩化メチルなどの有機塩素系の成分を含む物質を高温で燃焼したときに発生するものとされているところ,有機塩素系の成分を含むプラスチックや塩化ビニール類は大量に消費され,焼却場で焼却処分されているから,燃え殻やばいじんは,当然,ダイオキシン類を含有している。また,全国各地のゴミ処分場から環境ホルモンとされる化学物質が検出されていることからして,環境ホルモン類を含有していることも明らかである。 ダイオキシン類は,急性毒性,慢性毒性,発ガン性,催奇形性,生殖への悪影響,免疫毒性,内分泌作用攪乱性などの毒性があるとされており,その毒性はごく微量で短期間の曝露であっても人体に悪影響を及ぼすほど強く,耐性の減少などの点で子孫にも悪影響を及ぼす。 ダイオキシン類につき,国は現在,耐用1日摂取量(人が生涯にわたって継続的に摂取しても健康に影響を及ぼすおそれがない1日あたりの摂取量)(以下「TDI」という。)を人の体重1キログラム当たり4ピコグラムと定めているが,ダイオキシン類の毒性に照らすと,一定量以下であれば毎日摂取しても問題がない安全量は存在しないものというべきであり,TDIが1ピコグラムを超えることはあり得ない。そして,日本人は現在においても人体に悪影響を及ぼす高濃度のダイオキシン類を摂取しているのであるから,たとえわずかであっても,ダイオキシン類が含有された浸出液を本件処分場から漏洩させることは決して許されない。 (3) 産業廃棄物中に含まれる有害物質の以上のような危険性を前提にすると,原告らが次の3点,すなわち, ① 本件処分場に搬入される廃棄物には,有機又は無機水銀,カドミウム,鉛,六価クロム,ヒ素,セレン等の重金属類や,トリクロロエチレン,テトラクロロエチレン等の発ガン性のある揮発性物質,種々の毒性を有するダイオキシン類,環境ホルモン類等の各種有害物質が含まれていること, ② 上記有害物質は,処分場内の浸出液に溶解し,又は浮遊粒子物質として含まれて浸出液とともに移動し,処分場の外に流出して地下水に混入するか,浸出液の処理が不十分なため,それらの有害物質を含有した浸出液が放流されることにより,河川や地下水に混入すること, ③ 原告らは,本件処分場の周辺において,井戸を掘って地下水を生活用水として飲用しているので,上記のような有害物質が地下水に混入すれば,それが原告らの体内に摂取され,原告らの生命,身体に被害が生じ,又は人格権の一内容である,「一般通常人の感覚に照らして飲用及び生活用に供するのを適当とする水を確保する権利」が侵害されること を主張・立証すれば,本件処分場の建設が,原告らの人格権を侵害する一応の蓋然性を主張・立証したことになり,被告会社において「本件処分場からは未処理の浸出液は一滴も漏らさないこと」,「被告会社が放流する浸出液には人を発病させるに足るダイオキシン,環境ホルモン,重金属類等は処理され,除去されていること」を主張・立証しない限り,本件差止請求は認容されることになるものと考えるべきである。 (被告会社の反論) 本件処分場に搬入できる産業廃棄物は,鉱さい,汚泥,燃え殻,ばいじん類,がれき類,金属くず,ガラスくず,陶磁器くず,ゴムくず,廃プラスチック類などに限定されており,そのうち「がれき類」以下の6品目は無害なものとして安定型最終処分場にも埋め立てられ得るものであるから,本件処分場に搬入される廃棄物のすべてが有害であるわけではない。 また,重金属類等が人体にとって有害物質になるのはある濃度以上になったときだけであって,微量のそれは,むしろミネラルとして生物の生存にとって必要不可欠であるとさえ,いえるのである。そして,本件処分場に埋め立てることのできる有害物質の上限濃度(埋立基準)は,「金属等を含む産業廃棄物に係る判定基準を定める省令」の別表第一において法定されており,無制限に高濃度の有害物質が埋め立てられることはない。 燃え殻,ばいじんは,焼却施設から発生する廃棄物で,本来的に重金属類やダイオキシン類等の有害物質を含んでおり,被告会社としても,ダイオキシン類を含む環境ホルモンについては健康被害の原因となる有害物質であると認識しているので,埋め立てる前にコンクリート固化処理を行うことにより,ダイオキシン類が付着した微粒子を団粒化し,埋立時における飛散や,浸出液への混入を防止することとしているほか,浸出液処理過程に環境ホルモン類を分解除去するための高度処理工程を追加しているところである。 TDIは,ダイオキシン類による健康影響を未然に防止する観点から的確な対策を講じる上で重要な指標となるものであって,世界保健機構(WHO)や各国において科学的知見に基づいて設定されているものであるから,ダイオキシン類には安全量がなく,安全量を前提としたTDIの考え方が間違っているとする原告らの主張は失当である。また,本件で問題となり得るのは,水からのダイオキシン類の摂取であるが,ダイオキシン類は油性であって,そもそも水に溶けにくいことから,食品等に比べると水から摂取されるダイオキシン類の量はごくわずかである。 管理型最終処分場では,法定された埋立基準以下の有害物質を含む廃棄物を埋め立てることを目的としており,そのために水処理施設の設置が法定され,浸出液処理により排水基準以下に処理された浸出液が放流される仕組みが採用されるとともに,埋立終了後も,浸出液が無害化されるまで処理が継続されることとされているのであり,未処理の浸出液が,たとえわずかでも漏れることが許されないのは当然である。 そして,本件処分場が改正共同命令に適合していること,本件処分場からは未処理の浸出液は一滴も漏らさないこと,被告会社が放流する浸出液からは,人を発病させるに足るダイオキシン,環境ホルモン,重金属類等が処理され,除去されていることは十分に立証されている。 2 本件差止請求の関係で問題となり得る,本件処分場の公共性・必要性やその立地条件の適否の点については,どのような評価をすべきであるか。 (被告会社の主張) (1) 「鹿児島県産業廃棄物処理計画」(乙72)によれば,平成11年3月の時点で県内に埋立てが可能な管理型最終処分場は1か所もない一方,管理型最終処分場で処分すべき産業廃棄物の量は,平成15年には年間12万9000トンになるものと推計されるため,県としては今後3か所程度の管理型最終処分場の整備に努めるものとされているが,現在においても管理型最終処分場は1か所も建設されておらず,そのため,県内の産業廃棄物の処分は宮崎県などの近隣の処分場に委託されているのが実情である。 全国的に管理型最終処分場が絶対的に不足している状況を考えれば,いつまで県外で埋立処分できるか分からない状況であることは間違いなく,県内に早急に本件処分場のような管理型最終処分場を建設する必要がある。 したがって,本件処分場は,高い公共性・必要性を有する。 (2) 本件予定地の地下水位は地表から約45メートルの深度にあり,20メートルから30メートルの層厚の地下水層がシラス層の中を南東方向に流れているので,仮に未処理の浸出液が漏出したとしても,それがシラス層を通過する際の希釈効果やろ過効果を考慮すれば,水質汚染が生じる可能性はまずないものといえる。 また,本件予定地の南東方向にある集落の中で最も近いk集落まででも約2キロメートルは離れている上,この集落では,ほぼ上水道が使用されており,d集落で上水道が引かれていない居宅については,被告会社が費用を負担して上水道を引くことになっている。 したがって,本件処分場は決して悪い立地条件にあるわけではない。 (原告らの主張) (1) 本件予定地は水源地であるところ,周辺地域住民の生命,健康,日常生活に密接不可分である飲料水などの生活用水の汚染を防止するためには,産業廃棄物の最終処分場の水源地への立地は回避すべきである。 また,本件予定地は,笠野原台地の北西端に位置する傾斜地であり,その地盤はシラスである。シラスは極めて透水性が高く,もろくて崩れやすいとされているので,そのような地盤に最終処分場を建設するのは避けるべきである。のみならず,傾斜地については,地中の水の流れにより火砕流堆積物にトンネルが穿たれ(パイピング現象),上部の火砕流堆積物の崩壊を引き起こす危険性が高い。 したがって,本件予定地は,最終処分場の建設には適しないことが明らかというべきである。 (2) 産業廃棄物の最終処分場一般について社会的存在価値(公共性・必要性)があることは否定しないが,上記の立地条件の悪さなどに由来する危険性に照らすと,本件処分場にそのような価値があるとはいえない。 3 本件処分場について改正共同命令への適合性が認められるかどうか。 (被告会社の主張) (1) 擁壁について 有限要素法による自重・地震解析の結果,本件処分場の擁壁はどの地点をとっても安全率が1.0以上であるので(乙20参照),自重や地震により擁壁が損傷・崩壊する危険性はない。 腐食防止措置としては,透水係数が毎秒10-9センチメートル以下となるような性能を有するベントナイトシートを敷設することで対処する。 (2) 遮水シートについて 本件処分場の遮水層は,別紙「遮水シート工断面図」に示されたとおりのものであって,改正共同命令1条1項5号イ(1)の(イ)及び(ハ)の双方を満たしている。 また,底部の遮水シート工の上部には更に50センチメートル以上の保護砂層を設けて突起物等による破損を防止し,法面の遮水シート工の上部には遮光不織布を敷設して劣化を防止する。このような措置により,不等沈下,突起物,車両走行によるシートの破損を十分に防ぐことが可能である。 なお,ポリエチレンシートが遮水シートとして使用された場合,その実際の耐用年数は様々な要因によって左右されるから,メーカーとしては,実際に使用された場合の耐用年数を明示し,保証できないことは当然であって,メーカーの保証がないことをもって,その性能が悪いと断定するかのような原告らの主張は誤りである。 本件処分場については,稼動後10年で埋立てが終了する計画であるから,これと埋立後の水処理に要する時間を合計した期間だけ,遮水シートが耐用すれば足りるのであり,また,遮水シートの耐用年数は,シート自体の強度の問題よりも,処分場の設計工事方法,開業後の日常の管理方法等によって左右されるものであるから,これらの要因を考慮せずに,遮水シートの耐用年数のみを論じることは余り意味がない。 そして,ニポロンシートSSは,留意事項の規定を上回る2ミリメートルの厚さを有し,低密度,高強度で,しかも低温時においても柔らかいという特性を有する優れた遮水シートであり,そのメーカーである日ケミ商事株式会社がした実験結果によれば,本件処分場で想定される熱,酸,アルカリ等の条件に十分耐用できる性能を有している(乙22参照)。 また,廃棄物の荷重,雨水の重量によって本件処分場の遮水シートが破損する可能性がないことは,株式会社地層科学研究所作成の「廃棄処分場遮水シート安定解析報告書」(乙16)により,本件処分場では上載荷重として1平方メートルあたり200トンを作用させても遮水シートは破損しない旨の報告がされている点から明らかであるし,廃棄物による最大負荷は1平方メートルあたり64.7トンであるから(乙25参照),トラックの荷重分(25トントラックで1平方メートルあたり7.8トン程度)を考慮しても,なお十分な強度を有している。 原告らは,遮水シートの破損事故例を列挙するが,これらはいずれも改正共同命令が施行される前に設置許可がされた施設におけるものであり,改正共同命令はこれらの事故を受けて,遮水シートの破損事故を未然に防止することを最大の目的としているところ,本件処分場はこの改正共同命令に適合しているのであるから,遮水シートの破損事故が生じる可能性はない。 加えて,本件処分場では,遮水シートの損傷検知・補修システムとして,T&OHシステム(負圧式検知システム)を採り入れる予定であるところ,このシステムにおいては,真空圧を利用してシートの損傷を検知し,損傷を発見した場合には,管理ホースで圧縮空気を送り込み,損傷部からの漏水が発生する前にこれを防ぐ応急措置や,同ホースで固化剤を加圧注入して漏水を止める恒久措置が可能で,廃棄物を撤去せずに遮水シートの補修ができ,電気式検知システムのように電極が腐食したりする心配はない。現に,改正共同命令の施行後,T&OHシステムを採用した処分場に関し遮水シートの損傷が報告された事例はない。 (3) 基礎地盤について 本件処分場の埋立地底部となる地面について,スウェーデン式サウンディング試験を実施したところ,3か所の測定点(貫入深さ2.50メートル,3.00メートル,6.75メートル)でそれぞれN値が88.8,89.9,84.5であり,地盤の強度として必要十分とされている20を大幅に超えていた(乙158参照)。また,笠野原台地のシラスに設置されている鹿屋市清掃センター関係の地質調査報告書(乙189)でも,概ね50以上のN値となっている。これらに照らすと,本件予定地の地盤であるシラスが本件処分場を設置するのに必要な強度を有していることは明らかである。 シラスの遮水性能については,通常シラスの透水係数は毎秒10-3センチメートル前後とされているが,上記の地質調査報告書によると,毎秒10-5から同10-6センチメートルとの結果が報告されているところ,本件処分場においては,遮水シートの破損に備えて,埋立地底部にベントナイトを混合した厚さ50センチメートルの改良土層を敷設した上,法面についても下地基盤としてベントナイトシート(透水係数毎秒10-9センチメートル以下)を敷設して,シラスの遮水性能の不足を補っている。 なお,上記の地盤改良に関し,当初に予定していたサンクリート(樹脂)からベントナイト(粘土)に変更した理由は,ベントナイトのほうが弾性に富み,亀裂に対して自己修復能力を有するなどの利点があり,各地の廃棄物最終処分場においても,遮水シートにベントナイトを組み合わせた遮水工が多数造られ,十分な実績を挙げているからである。 (4) 地下水集配水設備について 本件予定地のボーリング調査の結果によれば(乙2参照),地下水位は,西側で38.7メートル(地盤高は60.05メートル),東側で50.3メートル(地盤高は70.08メートル)と深く,湧水による遮水工損傷のおそれはないが,地下水集排水設備は設ける予定である。 (5) 保有水等集排水設備について 保有水等集排水設備は,中央に設置した直径600ミリメートルの主幹,これに20メートル間隔で直線形に敷設する直径300ミリメートルの枝管のそれぞれについて,大日本プラスチック株式会社製のダイプラハウエル管(高密度ポリエチレン管)を採用している。 このダイプラハウエル管が耐圧強度等に優れていることは,その技術資料(乙37)から明らかであり,異常な外的要因がなければ50年以上の耐用年数がある。 そして,本件処分場に敷設される上記集排水管の管径,設置勾配(1.5%),配管等からみてスムーズな排水が可能であることは,本件の保有水等集排水設備に関する検討で解析されているとおりである(乙27参照)。 現在全国の最終処分場の計画・設計のガイドラインとされている「廃棄物最終処分場指針解説」(乙19)(以下「指針解説」という。)によれば,保有水等集排水管の集水機能確保のために管の周囲を覆う「被覆材」選定の留意点として,土砂やゴミ,スケール等による目詰まりの防止が挙げられており,その管径設定に当たっても,スケールなどの成長による断面縮小にも対応し得るものでなければならないとされているところ,本件処分場では,指針解説及び「廃棄物最終処分場技術システムハンドブック」(乙40)等の被覆材の算定式に基づき,被覆材には,粒径50から150ミリメートルの栗石及び単粒砕石(集水管周辺には粒径20から30ミリメートルの単粒砕石)を使用し,万一,目詰まりが生じたときは,排水溝出口からの自走式噴射洗浄機による洗浄又は高圧エアーの吹込み等により修復する予定である。 (6) 調整池について 本件調整池は,遮水性の高いベントナイト及び腐食防止のためのゴムアスファルトシートの二重構造のものであるので,耐水性が高く,日常の適切な管理・補修により,50年以上維持することが可能である。 過去21年間の降雨量から計算すると,本件調整池の容量を超えて浸出液が埋立地内に貯留する日数は172日あるが,最も長く連続して埋立地内に貯留するのは122日で,これは過去117年で最も年間降水量が多かった年(平成5年)に関する計算であり(乙30参照),本件処分場は10年で埋立てが終了するのであるから,上記のような年に遭遇する可能性は極めて低く,本件処分場で埋立地内に浸出液が貯留することは,まずあり得ない。 (7) 浸出液処理設備について 浸出液処理設備については,本件処分場付近の過去の降雨データ及び埋立計画に基づき,1日の水処理量を390立方メートルとし,その水質につきBOD(生物化学的酸素要求量)は1リットルあたり1000ミリグラム,SS(浮遊物質量)は同じく300ミリグラムに設定して設計がされている(乙2参照)。もっとも,